SDGsやLGBTQIAのように新しい概念やワードが次々に生まれていますが、これからのメンズが覚えておくべきワードの一つが『フェムテック』です。
『フェムテック』は、女性だけの問題ではなくメンズにとっても大きな意味を持つワードであり、メンズにも大きく関わってくるワード。
なぜなら、女性のパートナーがいるメンズにとって、大切な彼女の健康・状態を理解しやすくしてくれる『フェムテック』は非常に有益だからです。
そこでここでは、これからを生きるメンズが覚えておくべき『フェムテック』について、その意味やメンズがどう関わっていくべきかについて解説していきます。
大切な彼女・パートナーと幸せな日常を過ごすために、ぜひ『フェムテック』を理解しましょう!
フェムテックとは
『フェムテック』とは、『female technology』の略で、女性の体や心に訪れる変化や健康問題をテクノロジーで解決してくれるサービスや商品のことです。
(1)女性の体は変化する
女性ホルモンの影響を大きくうける女性の体は、周期的に変化しています。
例えば、彼女がある時期になるとすぐにイライラして怒りっぽくなる、体調を崩して寝込んでしまうと心配している彼氏も多いはず。
それは『PMS』といい、生理前にホルモンバランスが崩れることで精神的・肉体的に不調になる状態です。
このように、女性の体は周期的に変化しています。
若い女性だけでなく、妊娠や出産、更年期や閉経などの時期の女性の体も同じように劇的に変化します。
女性は、男性よりもホルモンの影響を受けやすいのです。
(2)女性の揺らぎをサポートするフェムテック
そんな女性の心身をテクノロジーでサポートしてくれるのが『フェムテック』です。
『フェムテック』で真っ先に挙げられるのが『生理』に関するサービスや商品。
ナプキンや経血カップなど毎月生理のたびに使うアイテムや、生理前にイライラして不安定になるPMSが起こりやすい時期を教えてくれるアプリなどがあります。
他にも、セックストイや妊娠中・出産中の体を支える機能性下着、更年期の膣トレアイテムなど様々な商品・サービスが開発されています。
『フェムテック』の商品・サービス具体例と発展した理由
では、次に、『フェムテック』にはどんなものがあるのか、現状と具体例、急激に発展した理由を挙げていきます。
(1)拡大一択の『フェムテック』市場
女性がこれまで「恥ずかしい」「人に話すことではない」とタブー視して敢えて離さなかった女性の性に関する心身の問題について、オープンに話す時代になったことに伴い、『フェムテック』市場もどんどん拡大しています。
事実、2018年度は市場規模が約1.8兆円だった『フェムテック』ですが、2025年には全世界で5.3兆円に達するという予測がされています。
わずか数年で市場が3倍になる見込みがされていることからも、『フェムテック』を必要としている人が非常に多いことがわかりますね。
もともと欧米発祥の『フェムテック』は、既に欧米では数多くの企業が参入していますが、この流れを受けて日本企業もどんどん参入していくことでしょう。
(2)『フェムテック』の具体例
次に具体的にどんな商品・サービスがあるのか紹介します。
生理周期など体の変化を教えてくれるアプリ(ルナルナ、HERBIO、ラルーンなど)
生理用品の割引サービス
生理の貧困を解消する取り組み(生理用品の無料提供など)
生理期を快適に過ごす商品(fermata、わたし漢方、など)
婦人科特化型オンライン診断プラットフォーム(スマルナなど)
乳がん・子宮がんなどの診断装置
セクシャルヘルス(潤滑ジェルや潤滑オイル、セックストイなど)
妊活サポート
不妊対策、
妊婦・産婦・授乳婦のサポートケア など
このように様々な女性の体とに寄り添う商品・サービスが次々と登場しています。
(3)『フェムテック』の発展の理由
『フェムテック』が発展した理由は次の4つが考えられます。
女性の社会進出・女性起業家の増大
女性の性についてのタブー視する風潮の変化
テクノロジーの進歩
ジェンダー
まず、女性の社会進出が進み、女性起業家も増えることで、女性の性についてタブー視する風潮が改善されたこと。
そして、女性の心身の問題をデータ化し、それを解決するテクノロジーが進歩したこと。
最後に、社会的・文化的に性別を区別するジェンダーの問題が注目されることによって、逆に女性固有の生物的な性によって起こる問題にも注目が集まったことが挙げられます。
つまり、『フェムテック』は現代に起こるべくして起こり、そしてさらに発展していくものなのです。
メンズが『無知』で済ますべきではない女性の性のこと
そんな世界規模で注目されている『フェムテック』ですが、それが自分とどんな関係があるのだろう?とピンとこないメンズもまだ多いはず。
そこで、具体例を挙げて考えてみましょう。
(1)生理についてどれくらい知っている?
ピンとこない男性は、例えば生理について考えてみて下さい。
生理と言えば、どんなメンズも女性には周期的に生理があることを知っているはず。
しかし、メンズの体には起こらない現象なので、名前は知っていても具体的には女性がどんな状態になるのかはわからないという男性も多いことでしょう。その辛さやも大変さも。
彼女や妻が「生理で辛い」と言った時、職場の女性が周期的にイライラしたりミスが増えるような時、どんな声掛けをしていますか?
まさか「ちゃんとやれ」「俺に迷惑をかけるな」なんて言ってませんよね?
(2)知らないことは悪ではない。理解しようとしないのが悪
もちろん、メンズが生理について知らないことは悪いことではありません。
しかし、彼女や家族、職場の同僚など自分と関わりのある女性が生理で辛い状態であることを、無知を理由に理解し思いやろうとしないことは、メンズとして人として正しいことではないと思いませんか?
(3)『フェムテック』で女性の問題を共有できる
一例に生理を挙げましたが、こんな時も彼女やパートナーを大切に思い、理解しようと思うメンズに『フェムテック』が役立ちます。
例えば、生理周期を把握しておけば、その時期には体力仕事をさせないようにするなどそっとサポートができますよね。
このように、彼氏が一番の理解者であったら彼女はどんなに心強いことでしょう。また、同僚が気を配ってくれたら職場の女性はどんなに安心できることでしょう。
生理だけでなく、妊娠や出産、授乳など新しい家族の誕生によって変わっていく女性の体のこと、年齢を重ねて閉経に向かっていく女性の体のことも同じです。
日本の総従業員の40%以上を女性が占める今、メンズが生きていく上で、プライベートやビジネスで女性と関わらずにいることはできません。
より充実した人生・仕事をするには、相手(女性)の体や心を理解することが不可欠。
そのために『フェムテック』はメンズにとっても重要な意味を持つ商品・サービスなんです。
(4)相互理解を深める『フェムテック』
もし、生理、妊娠・出産期、子育て期、閉経など女性の人生のそれぞれのライフステージで起こる心身の問題について、メンズが「性が違うからわからない」と見てみぬふりをするとどうなるか。
それは、関係の悪化・断絶です。
辛い時、不安定な時に無理解な相手と過ごすこと、その際に相手から投げかけられた言葉・態度を女性は絶対に忘れません。
それは、まわりまわって、プライベートでは彼女との別れや夫婦ならば離婚に、ビジネスでは関係の悪化など、男性の人生にも大きな影を落とすことになることでしょう。
しかし、男性が『フェムテック』や『フェムテック』で解決される女性の心身の問題について理解すれば、そんなネガティブな事態も十分避けられます。
つまり、『フェムテック』が解決できるのは、女性の心身の問題だけでなく、女性をパートナーとする恋人や夫婦、家族の関係なのです。
まとめ
女性の心身の問題をテクノロジーで解決に導く商品やサービスの総称『フェムテック』は、女性だけのもの・女性のためだけのものではありません。
女性をパートナーとするメンズにとっても非常に重要なもの。
性が違うからこそ、「わからない」ではなく、能動的に『フェムテック』を通じて「理解しようとする」「サポートする」ことで、男性の意識も変革され、彼女やパートナーとの信頼関係や絆も強く太くなっていくことでしょう。
大切な彼女やパートナーをより理解するために、一緒に『フェムテック』について考えてみてはいかがでしょうか?