暑い夏、だらだらと出る汗に不快感を感じるという男性も多いはず。
暑苦しい印象・不潔な印象を与えて見た目を損なう上に、べた付きやニオイなどさらに気分を下げてしまう汗は、夏のクセモノ・厄介者ですね。
とはいえ、汗をかくことは人間の当たり前の生理現象ですので、いくら嫌でも汗を出さないようにすることは現実的に不可能です。
しかし、汗の出る仕組みを知り、効果的な対処法を取り入れることで幾分か改善することは難しくありません。
そこでここでは、汗の基礎知識と効果的な対象法と合わせておすすめのアイテムを解説します。
これさえ知っておけば今年の夏から汗は怖くありませんよ!
知っているようで知らない?汗の基礎知識
あくびやくしゃみなどと同じく、人間の生理現象の一つである汗ついて、基礎知識から解説!
(1)汗をかくのは人間だけ?汗は進化の証
厄介者扱いされやすい汗ですが、実は、汗をかく生き物はヒトや馬くらいと言われています。
確かに、他の動物が汗をかいているのを見たことはありませんね。
その理由は、ヒトの進化に深く関係しています。
進化の過程でヒトの運動量は急激に増え、知能の発達に伴い脳も大きくなっていきます。
運動をすると体温が上がりますが、体温が上がりすぎると熱に弱い脳や内臓などはダメージを受けてしまうことに。
それを防ぐため、効率的に体温を下げる仕組みが不可欠になります。
その結果、ヒトの体毛は退化し、皮膚から汗を出すことで熱を逃して体温を保つ発汗の機能が進化し今に至ります。
つまり、発汗機能は、ヒトがサルから進化する過程で手に入れた重要な機能であり、汗をかくことは進化の証なのです。
(2)汗の役割・目的
汗の役割・目的は、異性を引き寄せるフェロモンの役割もあるといわれていますが、メインはなんといっても体温を一定に保つことです。
汗をかくことで肌の表面に水分が出て、それが蒸発する時に熱が奪われる気化熱によって体温を一定に保つことができます。
(3)意識的にコントロールは不可能?汗の仕組み
汗を出す指令は、体温調節を司る脳の視床下部から出されます。
外気の気温や運動などにより、体温を下げる必要があると判断されると、皮膚にある汗腺で汗が作られて毛穴からにじみ出てきます。
このように、汗についての指令は脳が出すため、「汗をかきたくないから」と自分の意志で汗をコントロールすることは残念ながらできません
汗腺と汗の種類
次に、汗腺と汗について解説します。
(1)汗腺は2種類
汗を作る汗腺には
- エクリン汗腺
- アポクリン汗腺
の2種類があります。
エクリン汗腺の出口は表皮に直結していますが、アポクリン汗腺の出口は肌の内部・毛穴に向けて開いており肌にしみ出してくる形で汗をかきます。
全身の皮ふの表面にあるエクリン汗腺から出る汗はほぼ水分で無色、サラサラしていてニオイがほぼありません。
一方、アポクリン汗腺は脇やデリケートゾーンなどにあり、その数も人によって異なります。色は乳白色をしていて独特なニオイをしているのが特徴です。
(2)汗の種類は3種類
もう1つ知っておきたいのが、汗の種類です。
汗には、3種類あります。
- 温熱性発汗 暑い時や運動をした時など、体温を下げるためにかく汗。エクリン汗腺
- 味覚性発汗 スパイスがきいた食べ物を食べた時にかく汗。エクリン汗腺
- 精神的発汗 緊張やストレスを感じた時など、精神的な負担によってかく汗。エクリン汗腺・アポクリン汗腺
要因によって、汗が出る汗腺が異なります。
(3)多汗症・ワキガに関係しているのは?
男性に多い汗に関連する悩みの2トップといえば、多汗症とワキガですね。
この2つの悩みは、関わっている汗腺が異なります。
汗がだらだらと大量に出る多汗症は、エクリン汗腺が原因。
熱を下げる目的のエクリン汗腺は全身に200~500万個ありますが、特に熱を放出すべき場所である脇や手の平、足の裏、額などに集中しています。
そのため、必然的にこれらの部分に大量の汗をかきやすくなります。
一方、独特の強烈なニオイを発するワキガ(腋臭症)はアポクリン汗腺が原因です。
日本人のワキガ体質は10%~15%程度。親からの優性遺伝により発症することがわかっています。
多汗症もワキガも決して珍しいものではありませんが、本人にとっては大きなコンプレックスとなるのでなんとかしたいものですね。
また、これらにあてはまらなくても、ニオイやべたつきなど生理的な不快感から汗を何とかしたいと思っている方も多いはず。
そこで次に汗の対処法について解説します。
汗の悩みはこうして解決!おすすめ対処法
ヒトの体を正常に保つために欠かせない機能である汗。
とはいえ、清潔感を保つために何とかしたいとお考えの男性は、次の対処法で賢く対策しましょう。
(1)体温を下げる
体温を下げるための温熱性発汗は、汗をかく前に先回りして体温を下げることで防ぐことができます。
エアコンを使うほか、太い血管が走っている部分(首筋やわきの下、足の付け根、手首、足首など)を保冷剤などを使って冷やすと効率よく体温を下げることができます。
制汗スプレーや制汗シートなどもおすすめ。
(2)半側発汗を利用する
体の反射の一種『半側発汗』を利用する方法もあります。
例えば左脇を圧迫すると顔を含む左側上半身の発汗が止まり、逆を行えば右側上半身の発汗が止まります。
汗をかきたくないなという時はさりげなく体を圧迫して汗を止めるのもおすすめ。
(3)衣類を工夫する
また、体温を上げないために通気性の良い衣類を選ぶことも欠かせません。
男性は、ズボンで下半身の熱の放出が妨げられ、体に熱がこもりやすいので、時々ベルトを緩めて通気性をよくすることが大事。
上半身も、シャツの中に熱がこもらないようにシャツの裾や首元を解放するのもおすすめです。
ハンディファンなどを使って内部に風を送ると効率的。
最近では接触冷感機能のある衣類も登場しているので積極的に活用しましょう。
(4)良い汗をかくようにする
汗をかくことで発生するニオイが気になる方は、良い汗をかくように普段から心がけることも大事。
暴飲暴食・睡眠不足・運動不足など日常生活を見直し、汗の質を改善しましょう。
お風呂やサウナで汗をかくようにするのもおすすめ。
汗腺が鍛えられ、汗がすぐ出るようになれば、発汗のタイミングが早くなり、汗の量も少なくて済みます。
また、塩分濃度の低いさらっとした汗となり、べた付きやニオイも軽減します。
(5)体を清潔に保つ
汗はもともと無臭ですが、かいた汗に皮脂などが混ざり合ったものを細菌が分解すると、気になるニオイを発生させます。
そのため、普段から入浴して体を清潔に保つことが重要です。
また、細菌が「ゴハンだー!」と食事をする前に汗を拭きとることも不可欠。
汗をかいたら清潔なタオルやシートでふき取り、それ以上汗をかかないように体温を下げましょう。
また、腋やデリケートゾーンの毛を剃っておくのも効果的な方法。
細菌の繁殖を防ぎ、熱がこもるのを防ぐことができます。
(6)治療を受ける
多汗症やワキガがあまりに気になる場合は、薬物療法、外用薬、注射、手術など専門のクリニックで治療を受ける方法もあります。
例えば、両脇の手術は
多汗症 10~13万円程度
ワキガ 4~6万円程度
クリニックや手術方法によって費用は異なるので、受診する病院に問い合わせてみてくださいね。
費用は掛かりますが、改善を実感できることも多いので上記の方法を試してみても無駄だったという方は検討してみましょう。
汗対策の即戦力!オススメアイテム
汗対策の即戦力となるおすすめアイテムを紹介します。上手に併用して、汗に悩まされない夏をすごしましょう。
アイーク・ジャパン クデオ ジェルクリーム
クロルヒドロキシアルミニウムを配合した汗対策グッズです。伸びの良いジェルクリームで使いやすく、パラベンフリー・石油系界面活性剤フリーなど無添加仕様も安心。
デオナチュレ 男ソフトストーンW
昔ながらの汗対策成分「焼きミョウバン」に加え、酸化亜鉛でニオイとベタベタを防ぐ人気商品です。男性特有の汗・ニオイに着目して作られているので実感力が高いのが特長。
ハーバーリンクス サラフェプラス
汗があふれ出ないようにしてくれるフェノールスルホン酸亜鉛、シメン-5 オールで汗対策ができるアイテムです。脇汗はもちろん、顔汗や背中汗にもOK。テカリやニオイも防げます。
パースピレックス デトランスα
デンマーク生まれの汗対策グッズ。夜寝る前に塗って翌朝ふき取ることで、気になる部分の汗をケアできます。塗りなおしの手間がかからないので、外出先で汗ケアがしにくい男性におすすめ。
パースピレックス デトランスα
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小林製薬 メンズRiff あせワキパット
下着やYシャツなど直接肌に当たる衣類に貼りつけ、脇汗をケアできるパッドです。スリット加工で衣類に貼りやすくずれにくくて使いやすいのがポイント。イオン抗菌で汗ジミだけでなくニオイも防げます。
まとめ
汗が出る仕組みや対処法、おすすめアイテムを紹介しました。
重要な体温調節機能である発汗を止めることはできませんが、そのメカニズムを理解し、適切な対処法がわかれば必要以上に汗に悩まされることはなくなります。
汗対策に役立つアイテムもありますし、最終的には手術という方法もあるので、これらも上手に取り入れて、汗が出るシーズンを楽しく乗り切りましょう。