韓国アーティストのような美しい肌を手に入れるには、毎日のスキンケアと合わせて食事の見直しも不可欠です。
「医食同源」といわれるように、ニキビや過剰な皮脂分泌などのメンズに多い肌トラブルも、体に良い食材を日常的に食べて体調を整える・健康を保つことで徐々に改善されていくと考えられます。
そこでここでは、積極的に食べたい!メンズの美肌を作る「毎日摂りたい食物」を栄養素と合わせて解説していきます。
美肌作りのために知っておきたい食事の基本
美肌づくりの基本は、バランスの取れた食事をとり続けることです。
美肌作りに役立つ食物・栄養素の説明の前に、基本的な食事について知っておきましょう。
(1)栄養バランスの良い食事メニューは和食の「一汁三菜」
美肌作りに役立つ食事といえば、やはり「和食」。
主食であるご飯、味噌汁やスープなどの汁物、肉や魚などのメインとなる食物の主菜(タンパク質)、野菜やキノコや海藻などを使った副菜2品(ビタミン・ミネラル・食物繊維)の組み合わせである和食の基本スタイル「一汁三菜」は、最もバランスよく、過不足なく栄養を摂りやすい形ですので覚えておきましょう。
もちろん、おかずは3品なくても、栄養バランスさえとれていれば2品でも1品でも大丈夫。
汁物にたっぷり野菜を入れて具沢山にすれば味噌汁も1つの副菜になります。
(2)1日何をどれだけ食べればよいかがわかる「食事バランスガイド」
また、一日の食事で食べるべきもの・量についても知っておきましょう。
(画像出典:農林水産省)
平成17年6月に厚生労働省と農林水産省が作成した「食事バランスガイド」を見れば、カロリー計算をしなくても自分に必要なエネルギーと合わせて食事内容をチェックすることができます。
「食事バランスガイド」をみれば、一汁三菜に加えて牛乳や乳製品、果物の量もわかるのでぜひ参考にしましょう。
積極的に毎日摂りたい栄養素と食物リスト
美肌を作るために、意識的に積極的に摂りたい栄養素と、その栄養素を多く含む食物を解説していきます。
(1)肌を作るもと『タンパク質』
美肌作りに絶対に欠かせないのが『タンパク質』です。
体を作る基本となる成分であり、肉や魚、豆、卵、乳製品などに多く含まれています。
タンパク質は体そのものだけでなく、体を機能的にはたらかせるための酵素やホルモン、体を守るためにはたらく免疫体を作るもとにもなるので、コロナ禍の今、積極的に摂ってほしい栄養素でもあります。
(2)肌の代謝にも深く関わる『ビタミンB群』
次に重要なのが、ビタミンB群です。
ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類のビタミンB群は水溶性ビタミンであり、エネルギー代謝・肌の代謝に関わる重要なビタミンの1つです。
- ビタミンB1:糖質の代謝に関わる補酵素。豚肉(ヒレ・もも)・そば・玄米・枝豆などに多く含まれる
- ビタミンB2:脂質の代謝に関わる補酵素。豚(レバー)・うなぎ・ぶり・さわら・モロヘイヤなどに多く含まれる
- ビタミンB6:アミノ酸の再合成を手助けする補酵素。かつお・まぐろ・鮭・豚ヒレ・鶏(ささみ・レバー)などに多く含まれる
- ビタミンB12 :タンパク質の合成・アミノ酸の代謝に関わる栄養素。カキ・あさり・さば・ほたて・ほっけなどに多く含まれる
- ナイアシン:エネルギー代謝に関わる・多くの酵素の働きをサポートする成分。たらこ・まぐろ・鶏(むね・ささみ)などに多く含まれる
- パントテン酸:コエンザイムAの構成成分。鶏(レバー・ささみ・むね)・納豆・アボカドなどに多く含まれる
- 葉酸:正常な赤血球の生成をサポートする成分。鶏レバー・菜の花・モロヘイヤ・ほうれん草などに多く含まれる
- ビオチン:体内で糖・アミノ酸・脂質などの代謝に関わる補酵素。酵母、キノコ類、肉類(特にレバー)、ナッツ類、卵黄などに多く含まれる
吹き出物・ニキビが多いメンズ、くすみやシミなどが気になるメンズは積極的に摂るべきです。
(3)活性酸素対策に『抗酸化ビタミン・ポリフェノールなど』
老化の原因となる活性酸素から肌を守るため、抗酸化ビタミンといわれるビタミンA・ビタミンC、ポリフェノールも積極的に摂りましょう。
- ビタミンA:目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を強める働きが期待できる成分。鶏レバー・豚レバー・うなぎ・焼きのりなどに多く含まれる
- ビタミンC:高い抗酸化力を持つことで知られる美肌ビタミン。ピーマン(赤・黄)・ブロッコリー・キウイ・菜の花などに多く含まれる
- ポリフェノール:アントシアニン・カテキン・ルチン・フェルラ酸など種類が多い。ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分で、自然界に5,000種類以上ある。特に美肌のために積極的に摂りたいのがココア・チョコレートなど含まれるカカオポリフェノール。
- リコピン:トマトに多く含まれる抗酸化成分。メラニンの排出を促し、コラーゲンも生成するので、シミやシワを防ぐ効果も。トマト・スイカ・金時人参・柿・パパイアなどに多く含まれる
(4)皮膚の再生を促す『カリウム』
カリウムはむくみの改善・筋肉を正常に保つ他、細胞の新陳代謝を助けて皮膚の再生を促す働きが期待できる成分です。
イモ類やフルーツ、かぼちゃやホウレンソウや小松菜などに豊富に含まれています。
(5)骨のためだけじゃない!『カルシウム』
骨格作りに欠かせないカルシウムは、実は美肌作りにも重要な栄養素です。
カルシウム不足が続くと、健康的な角質層が作れなくなってターンオーバーの乱れを起こし、肌トラブルが起きやすくなります。
カルシウムは乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)・小魚・大豆製品・海藻類や野菜類に多く含まれています。
カルシウムの吸収率が高い乳製品のなかでも、ヨーグルトは腸内環境改善にも役立つので特におすすめです。
(6)手軽に腸活!『食物繊維』
あと1つ美肌作りで忘れてはいけないのが食物繊維です。
食物繊維には2種類あり、善玉菌の餌となる水溶性食物繊維・便のかさましをし腸内をお掃除してくれる不溶性食物繊維をバランスよく摂りましょう。
腸がすっきりすることで細胞の新陳代謝も高まり、ニキビなどの肌荒れの改善にも効果的です。
食物繊維を多く含むのは、野菜(ごぼう・モロヘイヤ・大根など)・穀物類(雑穀米・全粒パン・ソバ)・豆類(納豆・小豆など)・キノコ類・果物・海藻類・こんにゃくなどです。
美肌作りを阻害するNG食物・NG食習慣
美肌を作る食物があれば、当然、美肌作りを阻害する食物もあります。
できるだけ避けたいNG食物・NG食習慣を最後に見ていきましょう。
(1)肌荒れを起こしやすいNG食物
- 高脂質な食べ物(唐揚げ・天ぷら・スナック菓子など):脂質の摂りすぎにより皮脂の分泌が促されてニキビや肌荒れの原因になる
- 糖分の多い食べ物:皮脂の過剰分泌を招いて肌荒れを起こしやすくなる
- 香辛料・カフェインなどの刺激物:過剰な皮脂の分泌を招いて肌荒れやニキビを悪化させる
- アルコール:アルコールの代謝に多くのビタミンが使われてしまい、美肌を作る分が減ってしまう
特に気を付けたいのが、ジャンクフードです。
脂質・糖質だけでなく、塩分や食品添加物を多く含んで高カロリーなジャンクフードは肌荒れを作る食事といっても過言ではありません。
また、加工食品もNG。
手軽で便利で良いのですが、ビタミンが不足するだけでなく、多くの食品添加物が含まれ、さらに糖質・脂質を摂りすぎてしまうので、過剰摂取にならないように気を付けて食べましょう。
(2)肌荒れを起こしやすいNG食習慣
食物だけでなく、毎日の食事の摂り方も肌荒れを起こす原因となっていることもあるので注意が必要です。
- 食べ過ぎや食べなさ過ぎ
- 水分不足
- ながら食べ
- 噛む回数が少ない・早食い
- 夜遅い食事
水分不足はターンオーバーの乱れを呼び、栄養をスムーズに運びにくくなるので、味噌汁やスープなども食事に取り入れるようにしましょう。
また、ながら食べは食事への意識が向かなくなるだけでなく、噛む回数が少なくなったりするので要注意。
夜遅い食事は消化吸収が不十分になるだけでなく、寝ている間に胃腸を休ませることができなくなり睡眠の質も悪くなるので、寝る3時間前には食べるようにしましょう。
「完璧」である必要はなし!できることをコツコツと
美肌に役立つ食物を用意し、一汁三菜・食事バランスガイドに沿った食事を毎日確実・完璧に摂ることは、忙しい社会人・学生にとっては至難のわざです。
実践しようと無理をするとストレスになるので、まずはできる範囲で少しずつ食生活を変えていくことを意識しましょう。
例えば、お昼はハンバーガーやコンビニおにぎりで済ませていたのなら野菜の煮物やサラダなどのついたお弁当や和食に替えてみる、食事にトマトジュースや豆乳などをプラスするなど、その都度、食物を工夫していくのがおすすめです。
徐々に、食事が「栄養補給」「満腹になるため」のものから、「自分の体・美肌をつくるもの」「自分の健康にかかわるもの」と意識も変わっていくはずです。
まとめ
肌荒れを防いで美肌を作るための食物や栄養、食事の基本について紹介しました。
美肌を作るには、外からのお手入れ(スキンケア)と内からのアプローチ(食事)の両輪で取り組むことが重要です。
どちらが欠けても理想の肌を手に入れることはできません。
正しい食事の摂り方・美肌に良い食物を摂り続けていれば、肌も徐々に変わっていくはず!
ぜひ日頃の食物に目を向け、スキンケアと合わせて美しい肌を目指していきましょう。