「テカる」「ベタつく」そんなイメージの強いメンズの肌と「乾燥」は一見、無縁のようにみえます。
しかし、実はメンズの肌は女性の肌よりも乾きやすく、内側が乾燥しているインナードライであることも多いんです。
このインナードライが実に厄介で、メンズのニキビやべたつき、くすみや小じわなど様々な肌トラブルの原因となるので注意が必要!
想像以上にデリケート!メンズの肌の3つの特徴
メンズの肌はタフというイメージをお持ちの方も多いことでしょう。
しかし、それは大きな勘違い!
メンズの肌は、女性の肌よりもデリケートにできているんです。
(1)肌の保水力が低い
メンズの肌は、保水力に関係している角層細胞面積が女性より少ないという特徴があります。そのため、肌の水分量は女性の30~50%しかなく、さらに水分蒸散量は2倍以上!
つまり、潤いをキープする力がとても低いのです。
そのため、適切なスキンケアを行わないとさらに乾燥が進み、常時乾燥状態が続くことでインナードライ肌になりやすくなります。
(2)皮脂分泌量が多い
メンズの肌の乾燥を気付きにくくさせているのが、皮脂分泌量の多さです。
その量はなんと女性の2~3倍。テカリ・べたつきが起こりやすいのも当然なのです。
皮脂でテカっていると肌内部も潤っているように錯覚してしまいますが、実は肌内部はもともとの保水力の低さもあってカラカラ状態。
逆に、テカることで脂性肌と勘違いし、保湿をおろそかにしてしまうことでさらに肌内部の乾燥を悪化させてしまいやすくなります。
(3)皮膚が厚い
また、メンズの皮膚は女性と比べると約0.5mm程度厚いといわれています。
皮膚が厚いことでキメも荒くなり、硬くごわごわしやすくなります。また、毛穴詰まりも起こしやすくなり、ニキビ・吹き出物などのトラブルも起こりやすくなります。
他にも、ターンオーバーが乱れるとごわつきやすくなるうえに、メラニンが沈着しやすくなりくすみやシミなどができやすくなります。
(4)毎日のシェービングでさらにダメージが加速
上記の特徴を持つメンズの肌の乾燥をさらに加速させるのが毎日行うシェービングです。
シェービングはオトナの男の身だしなみにマストなルーティン。
しかし、シェービングをする際にヒゲだけでなく、肌の潤いを護る皮脂膜や肌表面も削ってしまうことが多いため、さらに乾燥を悪化させてしまいます。
日中は肌が乾燥する?メンズの肌が乾燥する5つの原因
もともと乾燥していて、潤いをキープする力が低いメンズの肌。
表面は皮脂で潤っている・べたついていても、内部は潤いエマージェンシー状態であることも少なくありません。
しかも、メンズは次の5つの原因で日中も肌の乾燥が進行していることが多いです。
(1)紫外線
スキンケアやメイクに興味や関心を持つメンズが増えていますが、適切な紫外線対策を常に行っているメンズはまだまだ少数派。
しかし、肌がデリケートなメンズほど紫外線対策は徹底して行うべき!
なぜなら、紫外線は肌表面だけでなく、肌内部の細胞に深刻なダメージを与えてしまうからです。
紫外線を無防備に浴びると、潤いが逃げるのを防ぐバリア機能が壊されてしまう上に、肌内部が傷ついて潤いをキープする力がさらに低下してしまいます。
また、刺激から肌を守るために余分な角質をため込む角質肥厚が起こり、ターンオーバーが乱れてごわつきやくすみ、しわなども起こりやすくなります。
このように、日中の紫外線対策を全く行わないのは肌を劣化させる大きな要因となります。
(2)エアコン
また、日中、室内にずっといるメンズの肌を乾燥させる要因の1つとしてエアコンが挙げられます。
じめじめした夏はドライを、暑い夏には冷房を、寒い冬には暖房を利用しているメンズも多いことでしょう。オフィスの場合、つけっぱなしで、あまり意識していないという人も多いはず。
しかし、このエアコンがくせ者!
例えば、夏は湿度が高いイメージがありますが、冷房のきいた室内は真冬レベルの約40%まで湿度が下がると言われています。
つまり、冷房の効いた部屋に長時間いると、肌の外側の表皮の角層から水分が奪われて肌の保湿機能やバリア機能が低下してしまいやすくなるのです。
涼しくさらっとした空間は快適ですが、乾きやすいメンズの肌にとっては悪環境であることも多いことを覚えておきましょう。
(3)汗拭きシート・あぶらとり紙
皮脂分泌が多いメンズに人気が高いのが市販の汗拭きシートやあぶらとり紙もメンズの日中の肌を乾燥させる要因の1つです。
汗拭きシートやあぶらとり紙を使えば、顔のべたべた・テカリもさっと”なかったこと”にできますし、携帯もしやすいので応急処置に使っているというメンズも少なくありません。
しかし、高頻度で使っていると肌を守るのに必要な皮脂まで除去してしまったり、ごしごしこすることで肌を傷つけてしまったりしてさらに乾燥を悪化させてしまうことがあります。
(4)水分摂取不足
また、男性は女性と比べると日中の水分の摂取量が少ないといわれています。
健康な成人は体重1キロにつき約35 mlの水が一日に必要と言われていますが、仕事や勉強で忙しくて水分を日中あまり摂らないというメンズも多いです。
もともと肌の保水力が低く保水量が少ないのに、日中、汗や尿などで体内の水分が失われるとさらに肌の乾燥は悪化してしまうことになります。
(5)マスク
コロナ禍の中、手放せないマスクもメンズの肌を乾燥させる要因の1つです。
マスクをしているとマスクに覆われた部分は潤っているように見えます。
が、マスクをはずすときに肌表面の角質層に含まれている水分まで蒸発してしまうことで乾燥が悪化。
また、マスクのこすれなど物理的な刺激でも肌は傷つき、乾燥が進んでしまいます。
肌が乾燥するとどうなる?放置すると怖い肌の乾燥
もともと乾燥しているのに、日中の何気ない習慣でメンズの肌はさらに乾燥が進みやすい状態となっています。
そこできちんとケアをせず、そのまま乾燥を放置しておくとどうなるのか解説します。
(1)肌のバリア機能が低下し、さらに乾燥が悪化する
乾燥した状態を放っておくと、肌を外的刺激から守り、内側の潤いをキープする働きを担うバリア機能が正常に働かなくなります。
するとさらに肌内部の乾燥は進行し、紫外線や大気の乾燥などからのガード力も低下するという負のスパイラルに。
(2)ターンオーバーが乱れて、くすみ・シミが発生する
肌内部の水分量が減るとターンオーバーが不調となり、本来なら役目を終えて剥がれおちる皮膚が肌にこびり付き、色素沈着・くすみ・シミなどができやすくなります。
(3)シワ・毛穴トラブルが発生する
さらに肌の乾燥が進むと、肌表面のハリが失われて縮み、シワができやすくなります。
そのまま放置しておくと、表皮部分だけでなく、さらにその下にある真皮層にまで届いてくっきりじわに。
また、毛穴周りの凸凹が目立つようになり、毛穴が開いて毛穴が目立ちやすくなるだけでなく、毛穴に汚れが詰まってニキビができやすくなります。
(4)かゆみ・皮膚トラブルが起こる
さらに肌の乾燥が悪化すると、かゆみやひび割れ、粉ふきなどのトラブルが発生するだけでなく、乾燥性皮膚炎(皮脂欠乏性湿疹)・乾皮症(皮脂欠乏症)・アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルを招くおそれも。
このように、メンズの肌の乾燥を放置しておくと、老け肌・汚肌になりやすくなる上に、皮膚疾患を発生させるおそれもあります。
メンズの肌を乾燥からまもる5つの方法
(1)化粧水+乳液で保湿する
メンズの肌を乾燥から守る1つ目の方法は、化粧水+乳液で保湿することです。
洗顔後は、べたつくのが嫌だからと化粧水を適当につけてスキンケア終了としているメンズも少なくありません。
しかし、肌の乾燥や肌の乾燥を原因とした皮脂の過剰分泌を止めるには、化粧水で潤いを与えるだけでなく、その潤いが逃げないように油分多めの乳液等で蓋をすることが欠かせません。
また、時間的に余裕があるときは、スペシャルケアとしてフェイスパックをするのもおすすめ。
多忙なメンズや面倒くさがり屋のメンズには、塗って寝るだけのスリーピングマスクが良いでしょう。
(2)日焼け止めを塗る
メンズの肌を乾燥から守る2つ目の方法は、日焼け止めを塗ることです。
日中は、雨でも曇りでも、外だけでなく屋内にいても紫外線を浴びている状態です。
特に気を付けたいのがデスクワーク中心のメンズ。
紫外線はカーテンやガラスなども透過して降り注いでいるので常に日焼け止めを塗るようにしましょう。
(3)シェービングを見直す
メンズの肌を乾燥から守る3つ目の方法は、シェービングを見直すことです。
肌の乾燥がひどい場合は、肌に直接刃が当たるカミソリタイプよりも、肌当たりのよい電気シェーバーを使うのが良いでしょう。
また、シェービングをする際は、剃る前に肌や髭をホットタオルや洗顔で温めて柔らかくしてから行う、シェービング用のローションやジェル等を使う、丁寧にすすいでしっかり保湿することも重要です。
(4)バランスの良い食事を摂る・良質な睡眠を取る
メンズの肌を乾燥から守る4つ目の方法は、バランスの良い食事を摂ることです。
肌の乾燥改善のために摂りたいのは、次の3つ。
- 肌をつくるたんぱく質
- 肌の水分保持に働きかける必須脂肪酸
- ターンオーバーを促すビタミンB2・B6
です。
また、良質な睡眠を取ることも重要です。
(5)日中も保湿ケアする
肌の水分量をキープするために、日中も保湿を心掛けるようにしましょう。
具体的には、
- 水分をしっかり摂る
- ミスト化粧水を使う
- 加湿器を使う
など肌の内側・外側からの保湿を続けましょう。
まとめ
肌のトラブルはほとんど水分不足が原因。つまり肌の乾燥は諸悪の根源です。
メンズの肌はテカっているので潤っているようにみえますがそれは錯覚。内側はカラカラ、常に「ギブミー水分」状態と考えておきましょう。
そんなメンズの肌を救うには、本人のたゆまぬ努力が欠かせません。
まずは普段の生活(スキンケア・シェービング・食事・睡眠など)を見直し、乾燥知らずの美肌を手に入れましょう。